【蛙化現象】は心理学用語であり、「蛙化」と省略されて使われています。Z世代が選ぶ流行語トップに選ばれたこともあり、今SNSを通して若者の間で話題になっています。
しかし、正しく意味を理解している人は少なく、意味が違う・なんでもありだと話題になっています。蛙化現象の本来の意味を確認し、例題を見ながら最近の意味について考えてみましょう!
蛙化現象の本当の意味は?
【蛙化現象】はグリム童話『かえるの王さま』が由来です。かえるに変身させられた王子が、王女に恋をしてアプローチしますが、見た目を気持ち悪がられてひどい扱いを受けてしまいます。しかし、王子が元の姿に戻った瞬間、王女は王子のことを好きになり、ハッピーエンドを迎えます。王子の大逆転劇を、気持ちが一気に変化することに例えて蛙化現象という言葉が生まれました。
『好きだった相手にアプローチを続けたら、自分を好きになってもらえた。しかし、告白された瞬間に相手を好きではなくなってしまった』
このように、本来の意味としては、好意を持っている相手が自分に好意を持ったことが分かった瞬間、気持ちが冷めてしまったり、嫌悪感を抱いてしまったりすることを言います。これは、世界共通表記でも『ICK』という言葉で表される、老若男女問わず誰にでも陥る現象です。特に10代20代などの若くて恋愛経験が少ない人によく見られる傾向です。理想が高く、完璧を求めてしまうために蛙化現象を起こしやすい人もいますが、経験とともに落ち着く人が多いようです。
また、20~50代の人に調査したところ、蛙化現象の意味を正しく理解できている人は全体の20%でした。一番割合の高かった20代でも46%と半分以上は正しく理解できていないことが判明しました。最近は蛙化現象の意味が違う、なんでもありだと話題になっています。例題と合わせて、意味を考えてみましょう。
蛙化現象最近の意味
4つの例題とともに最近の蛙化現象の意味について深堀りしていきましょう。
フードコートでのきょろきょろに冷めた
彼氏とフードコートに行き、席を取って彼氏を待っていた時のこと。私を探す時にお盆を持ってキョロキョロと周囲を見渡す姿を見て気持ちが冷めてしまった。
こちらの例では、彼氏のちょっとした言動に気持ちが冷めてしまう、という意味で使われています。彼氏のスマートで男らしい印象が、ちょっとした言動で自分の理想と合っていないと感じてしまい、本能的に気持ち悪いと感じてしまったそうです。
試着室に服を何着か持ち込んだら冷めた
好かれていた後輩とデートに行ったとき試着室に服を何着か持ち込んだ。その瞬間に蛙化現象を起こされ、その後デートに誘われることはなかった。
蛙化現象を起こされた側の意見です。こちらは、自分へ好意は分からない憧れの人のちょっとした言動で幻滅してしまったという意味で使われています。洋服を選ぶのに必死な姿が、余裕のあるかっこいい憧れの人のイメージとは違うと感じて気持ちが冷めてしまいました。蛙化現象を起こされた側の意見としては、勝手に好意を持たれて勝手に幻滅されるのは納得いかないですよね。こちらの方は、冷められた理由を蛙化現象と言うことで誰にでも起こる仕方がないことだと周囲も自分も納得させています。
数か月で蛙化現象
元彼女から付き合っているときに「いつか蛙化現象を起こす」と宣言されていた。案の定、数か月で「蛙化(現象)を起こした」と振られてしまいました。その直後、相手に新しい彼氏ができました。
こちらは、相手に飽きてしまったという意味で使われています。このように、きっかけはなくても、相手に飽きてしまうことを蛙化現象と言う方もいます。より良い相手を見つけた時に円満に別れるために、言う人もいるようです。人によっては、自分の都合の良いように交際を進めていく都合の良い言葉にも感じられるかもしれません。
初めて手をつないだ時に
ずっと好きだった人と恋人になれた。しかし、初めて手をつないだ時に生理的な気持ち悪さを感じてしまい、「友達に戻ろう」と言って別れてしまった。
こちらは、生理的に無理だと感じたケースです。相手からの好意を感じた瞬間や、手などが触れたときに気付くことがあります。男性より女性に多いケースです。
まとめ
最近の蛙化現象は
- 彼氏のちょっとした言動に気持ちが冷めてしまう
- 相手に好意が無いが、ちょっとした言動で幻滅してしまった
- 相手に飽きてしまった
- 恋人関係になってから生理的に無理だと感じてしまった
という意味で使われているようです。どの例にも共通するのは、相手に好意があるかどうかは関係なく、好きな人や憧れの人の些細な言動が原因で自分の気持ちが冷めてしまうことを指しています。また、気持ちが冷めてしまうきっかけはなく、一定期間付き合う為の言い訳として使う方もいます。
しかし、本来の意味で使う方も多くいました。恋愛の数だけ、恋が冷めてしまう瞬間があり、本来の意味とは異なる意味に変化してきたように感じます。
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